台湾の公用語は中国語(北京語)ですが、中国大陸で話されている中国語とはいくつか違う点があります。
今回はその点を取り上げたいと思います。
①一部の名前が違う
一部例をあげてみると、“タクシー”は中国では“出租车”(チューズーチャー)、台湾では“計程車”(ジーチェンチャー)。
“エアコン”は中国では“空调”(コンティアオ)、台湾では“冷氣”(ランチー)となります。
なぜこのような違いがあるかというと、歴史的なことが関係しています。
半世紀以上前から台湾と中国大陸にはそれぞれ別々の政府が存在しています。そのためその間に生まれた新しい概念や物の名前の付け方に双方で違いが生じているのです。
また台湾には日本統治時代の影響を受けている単語もあります。
例えば“弁当”ですが、中国では“盒饭”(ハーファン)、一方台湾では“便當”(ビェンダン)と言います。
“弁”の漢字は中国語にはないので“便”を使っていますが、“当”は繁体字で“當”と書き同じ漢字を使用しています。
②四声が違う
“フライドチキン”は中国では“炸鸡”zhájī(ジャージー)で最初のジャーが2声に対し、台湾では“炸雞”zhàjī(ジャージー)で4声になります。
“期待”は中国では“期待”qīdài(チーダイ)で最初のチーが1声に対し、台湾では”期待”qídài(チーダイ)で2声になります。
同じ漢字を使っていてもこのように四声が違うものがほかにもたくさんあります。
③声調の高低差の幅が違う
日本人にとって中国語はとても抑揚の激しい独特の響きに聞こえます。
中国のニュースキャスターや政府要人の話し方はそんな感じですよね。
高低差がかなりありますし息も強く吐き出します。
一方台湾人の話す中国語は声調の高低差の幅が大陸の中国語に比べ一回り小さい印象です。
どちらかと言うととげがなくやわらかい感じに聞こえると思います。
④巻き舌をあまりしない
日本人にはなかなか難しい巻き舌。
しかし台湾人も実はzhi(ジ)、chi(チ)、shi(シ)の巻き舌を使う発音ができない方がたくさんいます。
田舎に行くほど、年配であればあるほどそうした傾向にあります。
例えば、数字の“十”はshí(シ)と巻き舌で発音します。
しかしこれができない方は巻き舌ではないsí(スー)に近い発音をします。
この音は数字の“四”sì(スー)と似ているので、慣れないと“四”と“十”を聞き間違えることがあります。
いかがでしたか。
日本で中国語を学ぶ場合は中国大陸で使われている中国語を勉強することになります。
そのため台湾に来た時に今まで学んだ中国語と違うので、あれっ?と戸惑うかもしれません。
でも慣れてくるとこれはこれで台湾らしく感じますし、元々抑揚の少ない日本語を話す日本人には台湾中国語のほうが話しやすいかもしれません。
ちなみに台湾へ語学留学を考えている方は心配かもしれませんが、台湾の語学学校では標準の中国語を教えてくれるのでその点は心配いりませんよ。
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